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最近の労働トラブルの実態
@個別労働紛争と集団的労働紛争の違い
A個別労働紛争は何故こんなに増えたの?
B個別労働紛争の表面化による質的増加・量的増加傾向

@ 個別労働紛争と集団的労働紛争の違い

個別とは読んで字のごとく個人労働者と会社・事業主との紛争です。

集団的とは労働組合と会社・事業主との紛争のことです。

ただ間違えやすいものとして、個人10人と事業主との紛争であっても個別労働紛争であるというところです。労働組合が絡んでいるか、否かで見分けがつくとくものと考えて下さい。
これは、法律の専門家でも労働トラブル関係を扱っていない方は間違えやすいところなのですね。10人だから集団的労働紛争と勘違いしてしまうのですね。
それと、昔から労働組合というものは会社の中で結成されたもの(企業別労働組合)が多く見られたのですが、最近では1人でも加入出来る会社外の「コミュニティー・ユニオン」というものも存在します。
そこに加入し労働組合と会社の紛争に発展した場合には1人でも集団的労働紛争となるのですね。
何故、集団か個人かの説明をしたのかと言いますと、集団的労働紛争の場合には解決するために関与出来ない「制度」と「専門家」があるからです。労働組合は法律により、権利が付与され、存在が守られているのですね。

ただ、労働組合に加入しただけであり、実際の関与が無い限りは制度も専門家も排除されないので注意です。

労働組合との関わりに影響が出てくるのは基本的に会社側の業務を行っている方たちです。
私たち、労働者さん側の支援を行う専門家には実質的に影響はありません。

A 個別労働紛争は何故こんなに増えたのか? 

労働紛争は毎年増えていますが、実はここ2・3年で急に爆発的に増えたという訳ではなありません。それらの多くは労使間での話し合いや労働組合との交渉でほとんどが解決してきたのですね。残ったものが裁判・調停などに持ち込まれていたという状況です。

しかし、最近の労働組合の状況を見てみますと・・・

全国の労働組合数6万3955で前年に比べ1687組合の減少、組合員数26万9000人の減少が見られます。
全国の労働組合のうち3年前と比べ労働組合員の減少したところが、68.8%というように毎年数を減らし組合が昔のように機能しなくなり個別労働紛争が表面化してきたという原因があります。

そうキーワードは「表面化」です。社内でのトラブル解決にしても同じ事が言えます。

昔は終身雇用・年功序列・企業別労働組合が世の中の企業の基本で、組合については述べた通りです。安定的な雇用による給料やボーナス、退職時には退職金、定年後は手厚い厚生年金が待っており例え不満があっても「これぐらい我慢するか」という考えが生まれやす状況でした。
紛争が起きても年功序列制での企業統制がとれており、話し合いで解決に至ることが多かったのですね。

しかし、バブル崩壊から、年功序列・終身雇用は崩壊してしまい、リストラ、派遣社員の増加、パート従業員の増加によって、企業の統制はとれなくなってしまいました。個人主義が世の中の流れになったという影響もあるかと思います。個人主義が悪いものではなく、自分に合ったライフスタイル・仕事を選ぶことが出来るというのは非常に有意義なことだと個人的に思います。

問題は世の中の流れの変化に社会のシステムが追いつかなく紛争が表面化しているというところなのです。

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B 個別労働紛争の表面化による質的増加・量的増加傾向

では、表面化に伴ってどれぐらい増えたのでしょう?労働局の資料を参考にします。

「総合労働相談コーナー」

国の施策として各都道府県労働局、主要労働基準監督署内、駅近隣の建物などにおいて、労働に関するあらゆる相談に対応するための「総合労働相談コーナー」(約300ヵ所)を開設しております。総合労働相談コーナーに1年間で寄せられた相談件数は73万4,257件です。(平成15年度)。

13年度から15年までの相談件数の推移は・・・
13年度(25万件)→14年度(62万件)→15年度(73万件)

13年度は下半期だけのものですが、3年間を通して見ると増加傾向は明らかですよね。増加要因として「総合労働相談コーナー」の周知も大いに関わっているでしょう。次にその相談内容の内訳です。(民事上の個別労働紛争にかかる相談内容の内訳)

解雇に関するものが29.8%と最も多く、次いで労働条件の引下げが15.8%、いじめ・嫌がらせ7.4%と続いています。

相談件数を都道府県別に見てみますと一番、多いのが東京、次いで大阪、兵庫となっております。

こちらの傾向としてはやはり、就労者数の多い大都市では相談の件数も比例して多くなっています。

局    名 総合労働相談件数 局    名 総合労働相談件数
北海道 30.345 滋賀 4.626
青森 7.422 京都 25.069
岩手 7.509 大阪  76.211
宮城  13.683 兵庫 53.941
秋田 5.532 奈良 5.748
山形 5.046 和歌山 4.526
福島 9.750 鳥取 1.344
茨城 14.769 島根 1.279
栃木 11.989 岡山 11.368
群馬 10.545 広島 23.366
埼玉 45.948 山口 3.330
千葉 26.337  徳島 3.291
東京 104.778 香川 8.159
神奈川 41.037 愛媛  7.423
新潟 12.985 高知 3.097
富山 4.758 福岡 16.977
石川 6.809 佐賀 4.331
福井 3.358 長崎 5.412
山梨 1.896 熊本 7.399
長野 9.244 大分 7.636
岐阜 12.807 宮城 4.189
静岡 18.303 鹿児島 7.771
愛知  30.883 沖縄   6.758
三重 5.273
合  計 734.253 ※ 平成15年度データ

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